読了

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)


『つまり――私は思うんだけれど、自分がいつかは死んでしまうんだとわかっているからこそ、
人は自分がここにこうして生きていることの意味について真剣に考えないわけにはいかないんじゃないのかな。
だってそうじゃない。いつまでもいつまでも同じようにずるずると生きていけるのなら、
誰が生きることについて真剣に考えたりするかしら。

(中略)

だから私たちが進化するためには、死というものがどうしても必要なのよ。私はそう思うな。
死というものの存在が鮮やかで巨大であればあるほど、私たちは死にもの狂いでものを考えるわけ』